Pydio CellsをWindows10にインストールする

概要

ネットワーク間でファイル共有を行いたいときに、Windows間であればWindowsファイル共有が最もよく使用されますが、利用シーンによってはwebベースでファイル共有を行いたい場合もあります。例えば、ファイルのリンクをWindowsパスではなく、http://~~で張りたいときなど。
今回はWebベースのファイルサーバーであり、見た目も今風なPydio CellsをWindows10にインストールしてみます。

環境

OS Windows10
Pydio Cells 2.0.9
MariaDB 10.4

Step1 : MariaDBのインストール

Pydio Cellsのサーバを立てるにはリポジトリデータベースが必要になります。

以下によると、リポジトリDBとしてMySQLかMariraDBが使用可能とのことです。今回はMariaDBを使用することにします。(個人的にはMySQLよりMaria DBのほうがインストールがシンプルなので好みです)

https://pydio.com/en/docs

MariaDBのサイトからMariaDBの10.4.13をダウンロードしてインストールします。

インストール方法についてはここでは省略しますが、msiインストーラの形式でダウンロードすれば、基本的にはインストールウィンドウに従い、次へを押していくだけでインストールできてしまいます。

Step2 : Pydio Cellsのインストール

次にPydio Cellsの本体を準備していきます。

まず、以下のサイトからWindows用のPydio Cellsインストーラの入ったzipファイルをダウンロードしします。

https://pydio.com/en/download

次に、任意の場所にpydioというフォルダを作成し、ダウンロードしたzipファイルを展開します。ここではC:\pydioというフォルダ内に展開しています。

展開すると以下のように2つのファイルがあります。

インストールに使用するのはcells.exeです。このcells.exeはpowershellまたはコマンドプロンプトから実行する必要がありますので、どちらかを立ち上げます。今回はコマンドプロンプトで実施していきます。

まずは、コマンドプロンプトを右クリックから管理者として実行します。

次に以下のコマンドでcells.exeを実行します。引数としてinstallを与えるとインストールが始まります。

cd c:\pydio #cells.exeがあるディレクトリへ移動
cells.exe install

Windows ファイアウォールの許可が求められますので、適切なプロファイルへチェックを入れて、アクセスを許可を押します。

このあと、コマンドプロンプト上で設定情報を聞かれてきますので、設定していきます。

最初にインストールモードを聞かれますので、Browser-basedを選択してEnterを押します。(キーボードのJ,Kで上下移動)

[1mWelcome to Pydio Cells Home Edition installation[0m
Pydio Cells Home Edition will be configured to run on this machine. Make sure to prepare the following data
 - IPs and ports for binding the webserver to outside world
 - MySQL 5.6+ (or MariaDB equivalent) server access
Pick your installation mode when you are ready.

Use the arrow keys to navigate: ↓ ↑ → ←
? Installation mode:
  > Browser-based (requires a browser access)
    Command line (performed in this terminal)


次にInternal URLの選択が現れまますので、好きなものを選びます。ここでは端末のローカルIPを選択しています。

? Internal Url (address that the webserver will listen to, use ip:port or yourdomain.tld:port, without http/https):
+   Other                                                                                                                 > 192.168.1.1:8080                                                                                                     127.0.0.1:8080                                                                                                          localhost:8080                                                                                                          0.0.0.0:8080   


次に、TLSの有効モードを選びます。ここではとりあえず検証のため、Disable TLSを選びます。本番サーバとして使用する場合はセキュリティ的にTLSを有効化したほうが良いです。

? Choose TLS activation mode. Please note that you should enable SSL even behind a reverse proxy, as HTTP2 'TLS => Clear' is generally not supported: te/key files                                                                                  Provide paths to certificate/key files                                                                                  Use Let's Encrypt to automagically generate certificate during installation process                                     Generate your own locally trusted certificate (for staging env or if you are behind a reverse proxy)                  > Disable TLS (staging environments only, never recommended!) 


次に外部アクセス用のURL設定を行います。デフォルトのままEnterを押します。

Use the arrow keys to navigate: ↓ ↑ → ←
? Setup a different URL for external access:
  > Use http://192.168.1.1:8080
    Set another URL

ここまで設定すると、自動的にPydioの設定画面がブラウザで立ち上がります。


Step3 : Pydio初期設定

ブラウザで立ち上がったPydioの初期設定画面に従い初期設定を行います。

最初にライセンスに関する事項への同意ページがでますので、I agree these termsにチェックを入れ、Nextを押します。

次に、リポジトリDBの接続定義を入力します。Step1で作成したMariaDBへの接続定義を入力します。Databse NameについてはあらかじめMariaDBで定義していなくても、後ほど、自動作成されますので問題ありません。

なお、ここではrootユーザとして入力していますが、pydio専用のユーザをMariaDB側で定義しておき、そのユーザを使用するほうが、セキュリティ的には望ましいです。

次に、Pydio Cellsの言語と管理者ユーザのパスワード設定を行います。

pydio cells 2.0.9の言語選択では、残念ながら日本語の候補がありませんでしたのでEnglishを選択しました。

最後に、Install nowを押すと、インストールが開始します。

インストールが完了するとpydio cellsのログイン画面が現れました。

ここで、adminユーザでログインし、新しいフォルダを作成しようとしましたが、データソースが見つかりませんと言われて作成できませんでした。

そこで、PydioとMariaDBを再起動したところ、うまく動くようになりました。

なお、Pydioサーバを起動する場合はinstallではなく、startを引数にすると起動できました。以下のような形です。

cells.exe start

外部アクセスする場合はSTEP2で設定したURLを指定すれば、ブラウザからアクセスすることができました。


まとめ

Windows環境においても特にトラブルなく、インストールできました。機能面については引き続き調べていきたいと思います。

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